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「沈まぬ太陽」 [映画]

今日本航空再建問題で揺れていますが、山崎豊子さん原作の「沈まぬ太陽」を見てきました。

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一応フィクションでモデルにした企業や人物はおりませんとテロップが流れていましたが、誰がどう見てもあの航空会社のあの事故をモチーフにしたのは一目瞭然ですが[目]
3時間22分という長編、途中10分間にインターミッションが入りましたが、全く時間の長さなど感じることなく、本当に見ごたえたっぷりの素晴らしい作品でした。
何より、役者さんの演技が素晴らしい!
主演の渡辺謙さんはもとより、妻役の鈴木京香さん、悪役を演じた三浦友和さん、その愛人役の松雪泰子さん、他にもそうそうたるキャスト陣がしっかり脇を固めています。
ストーリーは国民航空の労働組合委員長の渡辺謙さん演ずる恩地がその後懲罰人事を受け、海外の僻地に左遷される中、家族の苦悩、会社の腐敗、政治家、官僚の汚職など、目を覆うばかりの現実。
そんな中で起こった飛行機墜落事故。
その多くの犠牲を出したにもかかわらず、遺族に対する会社の対応の冷たさ。
海外からやっと日本に戻ってきた恩地がその対応を誠心誠意行い、遺族会の信頼を掴んでいく、そんなことまで会社からは危険分子扱いに合い、ただ会社のため、社員のために行動してきた恩地の行く末はまた地の果て、真っ赤に燃えるような太陽が沈むところになっていくのです。
とにかく、事故の描写も鮮明に描かれていて、当時の惨状を思い出して思わず涙ぐんでしまいました。
そしてこの企業の体質と政治家の身勝手な政策。
本当に頭にきます。
今、そのツケが国民の税金投入という事態を引き起こし、それでもまだ国が守ってくれると思っているからか、経営体質の改善ははかどらないし。
まさにタイムリーなこの作品の上映ですが、これをどうか多くの人たちが見て、腐った経営体質や政治を知った上で、今後の政府の対応など監視し、国民の審判を下すようにしないといけないのではないかと思います。

最後にケニアの広大な風景、そして沈む太陽の美しさに心洗われる気持ちで見終わりました。


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まりあんぬ

本で読んだんですが、読んだ後は
JALってこんな会社だったんだ、、、
って衝撃を受けましたねー。
映画化するすると言っていて随分伸びたと思ったら
このタイミングで公開って。。。
JALもイメージが悪くなるから訴えると言ってるとか。
自分達が引き起こした問題なのに、懲りてないですよねー。
by まりあんぬ (2009-11-08 23:38) 

ミニー

まりあんぬさん、やっぱり原作読まれていたのですね。
私は読んでいないのですが、映像化するのは難しかったでしょうね。
いろんな圧力もかかってそうだし。
政界と財界の癒着。
今も行われているのだろうと思うと、本当に許せない気持ちでいっぱいになります。
by ミニー (2009-11-09 18:25) 

しふぉん

決して忘れられない 忘れてはいけない事故ですね。
JALにかぎらず 政界と財界のしがらみはあらゆるところに・・・
ここに描かれているのは氷山の一角なのかもしれません。

タイミングよすぎですが・・・
観たい映画たくさんありすぎて・・・まずは原作から読んでみようと
思います。

by しふぉん (2009-11-10 07:15) 

ミニー

しふぉんさん、最近の邦画、いい作品が多いと思います。
原作を映画化するとイメージが違ったりストーリーが変わっていたりとがっかりすることもあると思うのですが、この作品は原作は読んでいませんが、きっと満足できる作品じゃないかと思います。
いつもツケは弱いものにばかり回ってくるのが許せないですよねーー!
by ミニー (2009-11-10 19:05) 

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