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「灰色の虹」 [本]

この間まで暖かいと思っていたのに、また急に厳しい寒さで、一昨日は何年かぶりに積雪までありました[雪]
デパートのウィンドウは春物が彩っているのに、この寒さではなかなか防寒物を手放せないですね[ふらふら]

先日読み終わった小説、いろいろ考えさせられる作品でした。


【送料無料】灰色の虹



テーマは冤罪。
ささやかな幸せを夢見て生きている会社員男性の上司の死に対して本人が否認しても強引な取調べや、あやふやな目撃者の証言などで無実の罪を負わされてしまい、人生を狂わされてしまう男性。
ストーリーは冤罪に巻き込まれるまでの経緯と、出所後の復讐に分かれて展開しています。
この作品を読みながら感じたことは、小市民が犯罪に巻き込まれたときに、どれだけ公正に捜査されるのかということ。
お金持ちや権力者などは優秀な弁護士を雇い、また対する捜査側の人間も相手の立場を認識して捜査にあたると思うのですが、一小市民の時に、もしアリバイがあいまいだったり、動機があったり、物的証拠がなくても状況証拠で捜査する側の決め付けがあったり、いろんな状況が不利に働いたときにそれを跳ね返す力が無いことが多いのだと思います。
最近なら厚生労働省の元局長の事件がありましたが、これも確かに証拠の捏造とか特捜の捜査のゆがみがあったわけですが、足利事件に比べると驚くほど早く冤罪ということが立証されるところは、やはり容疑者が官僚であったため、取調べの際の対応や弁護に関してもそれ相応の対処があったのではないでしょうか。
この小説に出てくるような今まで犯罪や警察に一切無縁に生きてきた人間に、圧力をかけるような捜査陣、数ある仕事のひとつとしてしか向き合わない弁護士、関わるすべての人たちが皆容疑者の対岸にいて、決して容疑者の言葉に耳を貸さない人たちばかりに囲まれてしまったら、いくら冤罪であってもだれも救いの手を差し伸べることは出来ない、難しいものなんだと感じました。
これは小説の中だけのことではなく、実際に冤罪を負わされている人がたくさんいるのだろうと思います。
そう思うと、ニュースで事件が発生して、容疑者が捕まったときに容疑を否認していると、今まではそうであってもその人を容疑者と決め付けてニュースを見ていた自分がいたのですが、今はもしかして本当にそうなんだろうかと考えてしまいます。
犯罪者は許すことは出来ません。
一刻も早く捕まえて、罪を償って欲しいとは思いますが、容疑者が見つけることが最優先で、その後の検証をおろそかにするようなことがあってはならないと思います。
この作品、出来れば映像化して欲しいなと思います。
多くの人に考えるきっかけを作る作品だと思います。


画像.jpg

季節のお花、今回はデンファレ、ソリダスター、ブルースターです。
寒い時期はお花の持ちがいいので長く楽しめるのがうれしいです[揺れるハート]



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